いったん太陽が傾くと日没は早い。二人のダンスの終わりが近づいてきた。
そして、まるで、それを待っていたかのようにまわりは暗くなり、
少しずつ水銀灯の明かりとバトンタッチしていく。
かすかに残る夕焼けの橙色が、水銀灯からの人造の灯りと微妙にクロスオーバーし、
二人のダンスを静かにやさしく包みこむ。
そうして、ほんの少しだけうっすらと残っていたその橙色の残光は完全に消え去り、
あたりは水銀灯の灯りだけになった。
すると今度は、二人の影がしなやかに地面を舞い始め、
その白と黒のコントラストが、まるで二人の
ダンスの終わりを惜しむかのようにふるまいながら役割を演じていく。
哀愁を感じさせる余韻を存分に醸し出しながら、いつまでも思い残すことなく。
サルサ ソウル発 本文より
サルサ小説 ・ [ サルサ ソウル発 ]を紹介します。
この小説は韓国・ソウルのサルサバーで出会った人たちに
まつわる物語で、濃密で切ない人間関係が、まるでダンスでも
するかのように繊細に描かれています。
また、著者・山本八景氏はこのシリーズを通して途上国の時事問題を
終始テーマとして取り上げており、その気難しい題材に、さらに
風刺的メッセージを多く含ませることで問題提起を行っています。
だけど、読者の要求するエンターテイメント性を強く意識した作風
にも仕上げており、その娯楽性の高い要素をバランスよく含む内容
によって、サルサを踊る人たちの読者層に限らず、年齢や性別等、
広範囲な読者層の方々から支持を受けています。
また、韓国の時事問題や、ソウルのサルサバー事情、
それに、そこに集まる人たちの様子をできるだけ誇張、わんきょく
しないで忠実に描写することで小説の題材に取り上げています。
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